不安症について
不安は誰もが普通に経験する神経質、心配、困惑の感情です。
不安症は、不安・恐怖が異常なまでに高まることで、精神的につらくなり生活にも支障をきたすような疾患の総称です。
子どもに多く発症する不安症に、場面かん黙、分離不安症、社交不安症などがあります。
場面かん黙症
場面かん黙症とは
場面緘黙(ばめんかんもく)は、話す能力は問題なく家庭では普通に話せるのに、幼稚園、学校などで、話すことができないという状態です。
期間は、2~3か月しか持続しないこともあれば、数年間持続することもあります。
頷いたり、首を横に振ったりのコミュニケーションも難しいことや、トイレに行けない、水を飲んだり、給食を食べたりもできないこともあります。
原因
話さなければならない状況で、発声器官が緊張し、話すこと自体に恐怖を覚える→話さないことで、不安が減ることを知る→日頃話さない→話すことに余計恐怖を覚える→更に、話さなくなるというループとなると考えらます。
子ども自身の要因としては、能言語の未発達、脳波の異常などが考えられます。
また、家族の中で極度に内気な人や場面緘黙の人がいるような遺伝的なものも考えられます。
合併症
家庭外で強い不安を持ち、社会不安症を合併しています。
からかわれたり、いじめられたりすることもありますが、不登校になることは稀です。
家庭内では、強迫症、拒絶、かんしゃく、反抗的または攻撃的行動がしばしば認められ、時には、遺尿症や遺糞症を伴うこともあります。幼少期(3 歳~ 8 歳頃)に発症しやすく、女子ほのうが男子より少し多い傾向です。
症状や特徴
- 話す能力はあるが、特定の場面で話さない。
- リラックスできる場面では流暢に話すことができる。
- 話をさせられることを求められると一層頑なになる。
- 家庭外では対人的緊張が強く、他者とのかかわりを避ける、集団の中で目立たないようにしている。
分離不安症
分離不安症とは
分離不安とは、親などの主要な愛着対象から離れることへの不安のことであり、小児期早期の正常な発達過程において、ある程度見られます。
しかし、発達ともに、愛着対象が目の前にいなくても、対象の存在感やそこから得られる安心感を心の中に抱くことができ、葛藤場面や負の感情が起こる場面で、愛着対象を心の中にイメージすることによって安心できるようになります。
その発達不全により、保護者と離れることの苦痛、保護者を失うこと(犯罪・災害・事故などで)への過剰な不安、外出することへの抵抗、一人で就寝することへの抵抗などが見られます。
原因
気質と環境の双方が原因となります。 気質は、引っ込み思案、臆病、ASDなどで依存が強い時。契機は、親の病気や喪失、地震の入院や転居など生活上の分離体験があります。
社交不安症
社会不安症とは
大半が、13〜15歳までに発症します。
治療をしないと、多くの場合症状が軽快せずに、慢性の経過をたどります。
知らない人と何かを一緒にしなければならない時、自分が何かしているところを見られることが辛い。