心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは
「心的外傷」および「ストレス因」に引き起こされる疾患です。
非常に強い精神的な衝撃を受けた後に、その体験が記憶に残り続けることによってもたらされる精神的後遺症を心的なトラウマ(外傷)と呼びます。
トラウマによる精神的な変調の一つにPTSDがあります。実際に危うく死にそうな、重症を負いそうな体験をしたり、性的暴力を体験し(①直接体験、②直接目撃、③近親者などに起こった出来事の伝聞)、症状が1ヶ月以上継続持続した場合をいいます。
症状や特徴
- 侵入症状
トラウマに関連する無害な刺激によって、記憶が生々しく蘇ります。子どもは記憶が遊びに表現されることも多いです。 - 回避症状
トラウマに関連する人、場所、もの、機会、会話を避けます。 - 認知や気分の否定的変化
過度に自分や他人を責める。楽しみや興味を失います。 - 覚醒と反応性の変化
恐怖に起因する興奮がおさまらず、不眠、イライラ、ビクビクしたりします。
原因
扁桃体という脳内神経核と恐怖の記憶が関連していることがわかっています。 PTSDは通常時間と共に抑制されるはずの扁桃体の過剰な活動が内側前頭前野の機能不全によって、恐怖の記憶がいじされ続けてしまいます。
適応障害について
心理社会的ストレス因子に対する不適応反応で、過度の心配、ストレス因子に対する反復する苦痛、ストレス因の意味合いを絶え間なく考えてしまいます。
不安感や抑うつ気分、不登校、出勤拒否、対人トラブルなど、様々な症状・問題が出現し、社会生活に支障をきたす状態です。
原因
適応障害は様々な要因で起こりえますが、特に就学や就職、転職、結婚、離婚など、生活環境が大きく変わった際に発症しやすいと言われています。ご本人が「新たな環境にうまく適応しなくては」と思ってもなかなか思い通りに事が運ばない、そのようなストレスが原因となります。
不安感を引き起こしている原因ははっきりしている事が多く、原因から離れることで症状の改善が見込めます。しかし現実には、転職や転校などの方法で環境を変えることが難しい状況もあります。ストレスの原因から離れることが出来ずに症状が長期間続くこともあります。
成人期の主症状は抑うつが主症状でありますが、児童青年期では、不登校、怠学、成績不良、規範の逸脱などの行動上の問題を生じやすい傾向があります。