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「知能検査」でできること、できないこと

2024.07.11 心理士ブログ

こんにちは。キッズハートクリニック 心理士の信吉です。
今回は、皆さまからよくお問い合わせいただく「お子様の知能」について、ご紹介します。

   

「知能」とは、物事の理解力、思考力、問題解決能力など、色々な知的な能力をまとめて表す言葉です。

   

生活に広く関わるものなので、お子様の知能の特徴を知っておくと、生活の中でできる工夫、お子様に合わせた周囲の関わり方について考える手がかりになります。

   

お子様の知能を測れる検査として、当院では年齢に合わせて、田中ビネー、WISC、WAISという知能検査を実施することができます。いくつかの観点に分かれていて、お子様の特徴を細かく測定していきます。

   

知能検査をしてみると、多くのお子様には得意苦手の凸凹が見つかります。観点ごとに「ここは得意だから活かせそう」「ここは苦手だからこんな工夫が合いそう」と考えることもできますし、2つ以上の観点の差に注目して「凸凹が大きいからこういうことが負担になりやすいかも」ということも分析できます。

   

普段の生活ではキャッチしにくいお子様の特徴を知ることができるなんて、心強いですよね。

   

ただ、そんな知能検査も残念ながら万能ではありません。

   

例えば、自閉スペクトラム症、ADHD(注意欠如・多動症)などの発達障害は、お子様の小さかった頃のご様子や、発達障害ならではの行動があるかどうかなど、様々な点を総合的に見る必要があります。そのため「知能の凸凹が大きい→発達障害だ」とすぐに判断することはできないのです。

   

また、一般的に知的能力が高いと勉強にはプラスになることが多いですが、例えば読み書きの苦手さ、計画を立てて課題をこなすことの難しさなどがあると、知的には高くても成績が奮わないことがあります。

   

当院では、知能検査以外に、発達障害に特化した検査、文字の読み書きに特化した検査などもご用意があるので、診察の中でご案内させていただきます。

   

例えば、PARS-TR、Conners3という検査は、親御様にお子様の行動について伺うことで、自閉スペクトラム症、ADHDにどの程度当てはまるか見ていくことができます。

   

色々な検査があって分かりにくいと思うので、ぜひお気軽にご相談くださいね。

   

信吉真璃奈

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