欲とは、その人らしさ
2025.05.01
心理士ブログ
こんにちは。キッズハートクリニック外苑前 心理士の信吉です。
皆さんは、「欲」と聞くとどんなイメージがあるでしょうか?
なんとなく世間には「無欲であること=美徳」みたいな風潮があり、物欲や食欲などに対してネガティブな印象を持たられる方がおられるかもしれません。
しかし、こころの回復のためには、この「欲」こそ大切です。
クリニックに通い、自分の経験や気持ちを言葉にして説明するのは大変なこと。
「~に行きたい」「~を買いたい」といった「欲」があるから、その「欲」が満たされないことを残念に思い、「欲」を邪魔するこころの病気と向き合う勇気が湧いてくるのですね。
中高生くらいの患者様とお会いしていると、ときどき「病気を治して、普通の生活を送りたい」とお話してくださる方がいるのですが、治療のときにはもう一歩踏み込みたいところ。
しんどい症状があるとそればかりに目が行きやすくなりますが、ぜひ治った後の「自分らしい暮らし」について想像してみていただきたいです。
「普通」の内容をもう少し掘り下げていくなかで、お子様本人が何を大切にしていて、どんな風に生活していきたいのか、大げさに聞こえるかもしれませんが価値観や信念なども見えてくることがあります。
「~したい」の内容は、状況が目に浮かぶくらい具体的だといいですね。診察やカウンセリングの中で、お子様らしい目標を一緒に考えてみましょう。
信吉真璃奈