「気分の波」のイメージと実際
こんにちは。キッズハートクリニック外苑前 心理士の信吉です。
皆さんは「気分の波」と聞くとどんなイメージがあるでしょうか?
私は心理学を学ぶ前には、なんとなく「ふさぎ込んで動けない『落ち込みの時期』と、元気はつらつでとっても明るい『ハイの時期』があるのかな…?」というイメージを持っていました。もちろんそういった大きな落差のある患者様もいらっしゃいます。
しかし、実際の現場ではもっとマイルドな、「とても辛い時期と、普通~ちょっと元気な時期」くらいの落差であっても、一定の周期で繰り返すようであれば「気分の波」という文脈で治療を進める方が、上手くいくことが多いんです。
ただ、この波の厄介なところは、「普通~ちょっと元気な時期」が波の一部だと気がつきにくく「治った」「これが本来の自分」「この状態をずっとキープしたい」と思いやすいことです。
また、波だと分かっていても「見るからに症状」という感じではないため、「この隙にやりたかったことを色々がんばろう」と、勉強や予定などを詰め込んでしまう方もいらっしゃいます。
自然に気がついて対処するのってなかなか難しいのですね。
そのため、診察やカウンセリングの中で、一緒に自分の状態を客観的に眺める練習をし、スキルを磨いていくのがおすすめです。「言われてみたら波があるかも」と気がつくことができれば、意識して生活していくなかで波を予測したり、対処を工夫したりしやすくなりますよね。
ぜひ一緒に、今までと違う視点で自分の生活を観察してみましょう。
信吉真璃奈