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問われたら、答えてしまう

2025.06.30 心理士ブログ

こんにちは。キッズハート外苑前 心理士の信吉です。

   

先日、文化人類学の入門書を読んでいたとき、興味深い記述を見つけました。
(文化人類学はフィールドワークなどを通して、コミュニティの生活様式を体験しながら、文化を比較研究する学問だそうです)

   

それは「文化の理由にこだわらない」ということ。
自分にとって馴染のない文化に触れたとき、「どうしてこういう文化が形成されたんだろう?」と疑問に思うのは自然なことです。
しかし、コミュニティのメンバーに対してあまり理由を尋ねすぎると、だんだんこじつけの説明になってきて、実態から離れてしまうというのです。
特に、マジョリティ側の人間がマイノリティのコミュニティに入っていくときは、思い込みによる解釈に陥りがちなので、注意が必要とのことでした。

   

相手のことを理解しようとするのはいいことだけれども、言葉で直接的な答えを聞こうとしすぎるのはよくないこともあるのですね。なるほど~

   

そういえば、大学院で臨床心理学を学んだときにも「人は、質問されたら答えなくてはいけないと思ってしまう。気を付けて」と指導を受けました。
もちろん、人は誰でも「答えない」「分からないと言う」自由を持っていますが、一般的に質問を突っぱねるのは勇気やエネルギーが必要です。
ましてや、年齢差のあるお子様、不安や疲れを感じておられる親御様ならなおさらですね。

   

臨床の基本ではありますが、改めて丁寧な質問、関係づくりを心がけていこうと思いました。
当院では、スタッフそれぞれが積極的に研修会などに参加し、知識や技術のアップデートに励んでいます。そうして得られた学びが、様々な患者様のお役に立てれば嬉しいなと思います。

   

信吉真璃奈

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