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「様子を見ましょう」

2025.08.02 心理士ブログ

こんにちは。キッズハート外苑前 心理士の信吉です。

診療の中で、「お子様のこころの悩みや行動について相談機関で話してみたのだけど、『様子を見ましょう』とアドバイスを受け、どうすればいいか分からず戸惑った」というお声をたびたびお聞きします。

   

この「様子を見ましょう」というのは、一般的には「何か大きく行動や環境を変えるようなことはせず、経過がどうなるか見てみましょう」という意味になりますが、改めて考えてみるとなかなか幅の広い表現です。

   

「健康的な範囲内だから、これ以上困りごとが増えないなら今のままで大丈夫ですよ」ともとれますし、「気になる状態ではあるけれど、今後自然によくなるでしょう」とも受け取れます。
また、例えばお引越しの前など、今後大きく状況が変わる見込みで、現時点では状態の判断、経過の予測が難しいときにも「様子を見ましょう」と言われることがあります。そのあたりの細かい部分を質問できる雰囲気であれば、「いまはどれくらい心配な状態か」と「今後の見通し」など聞いてみるのがいいかもしれません。

   

また、もし親御様が「様子を見ましょう」という言葉であまり安心できず、違和感を持っておられるようであれば、それは「何か変えた方がいいのではないか」という思いと、理由がある場合が多いです。
お子様を一番身近で見ている親御様の感覚は、ぜひ大切にしていただきたいなと思います。

   

当院では、「様子を見ましょう」とお伝えするときには「どこに注目すればいいか」「何か始めるならば、タイミングはいつか」といったことも合わせてご説明するように心がけています。
例えば「いまいい調子で来ているから、このままの登校のペースで様子を見ましょう。もし、お子様が下校後にすごく疲れていて休みの日まで引きずる様子がある、急にイライラしやすくなった、食事や睡眠が変化したといったことがあれば、ご本人と相談しながら遅刻や早退を組み合わせてみてください」といった感じです。

   

ご家族が治療方針や進め方に納得でき、安心してお家で過ごせるよう、お力になれれば嬉しいです。

   

信吉真璃奈

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