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「怒らないで」ではなく

2025.12.06 心理士ブログ

こんにちは。キッズハートクリニック外苑前 心理士の信吉です。

  

今日は「ご家庭でお子様が穏やかに過ごすために大切な、親御様の関わり方」について、少し立ち止まって考えてみたいと思います。

   

診療の場面では、「怒らずに、お子様の苦手なところに理解を示してあげてくださいね」「まずは気持ちを聞いてあげてください」などとお伝えすることがあります。
お子様にとって、安心できる大人との関わりはとても大切ですし、親御様が寄り添ってくださることで落ち着くことも多いからです。

   

一方で、親御様ご自身がすでに毎日たくさんの役割を抱えていることも少なくありません。
お仕事、きょうだいの育児、介護、家事… 本当にお忙しい中で、お子様のためにと踏ん張っていらっしゃる姿を何度も目にしてきました。好き好んで怒っている親御様なんていませんよね。怒ってしまうのは「いまは余裕がない」という、ご自身のこころのサインなのだと思います。

   

家族療法の考え方では、「お子様の不調の原因は誰だ」といった“犯人探し”はしません。それよりも、家族それぞれがどんな状態にあるのか、どんな助けがあれば安心して過ごせるのか…といった視点を大切にします。親御様の余裕が少し戻るだけでも、お子様が穏やかに過ごしやすくなるからです。

   

当院では、親御様向けのペアレントトレーニングや、精神保健福祉士による地域支援のご紹介など、親御様の“こころのゆとり”を一緒に作っていくサポートも行っています。
「こういうときはどう関わればいいんだろう?」「自分の余裕がなくてしんどいなぁ…」… といったときは、ぜひ気軽にご来院ください。お子様とご家族が、無理なく穏やかに過ごせる方法を一緒に考えていければ嬉しいです。

   

信吉真璃奈

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