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「慣れ」を味方に

2024.10.04 心理士ブログ

こんにちは。キッズハートクリニック外苑前 心理士の信吉です。

   

初めての場所に行くと、最初は怖かったり、ドキドキしていたりするものですが、何度か繰り返しているうちに平気になっていきます。

   

「慣れる」ことができるからですね。

   

「慣れ」は心理学では「馴化(じゅんか)」と呼ばれていて、繰り返し同じ刺激を受けていると、だんだん反応が鈍くなっていくことを指します。カウンセリングでも、「慣れ」を利用して不安や恐怖を和らげていく技法があります。

   

しかし、改めて考えてみると、この「繰り返し同じ刺激を受ける」という部分、人間って結構高度な情報処理をしているなぁと思います。

   

日々体調も変化しますし、同じ場所でも天気によって気温や明るさが違ったり、来ているメンバーが違ったりします。同じ相手と話していても、全く同じやりとりをすることはほぼなく、時々刻々と全てが変化しますよね?

   

そのような常に新しい状況で、それでも脳は重要でない情報はスルーし、共通項を見つけ、「慣れていく」ことができるのです。私たちってすごい…!

   

逆を言えば、例えば感覚が敏感なお子様、細かい差異にその都度気がついてしまうお子様は、はたから見れば同じことを経験していても「毎回新鮮」「毎回不意打ち」ということが起きているかもしれません。

   

そんなとき、カウンセリングでは「言葉でまとめる」ということをおすすめします。

   

「いろいろ細かい違いはあるけど、大体いつもこんな流れだよね。こういうことが起こるよね」と伝えてあげることで、情報の整理が進み、「ということは、次もこういうことが起こるな」と予想を立てることができます。

   

「うちの子って慣れるのに時間がかかるなぁ」と思っている親御様がいらしたら、ぜひ試してみてくださいね。

   

信吉真璃奈

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