どうして「がんばれ」はよくないの?
こんにちは。キッズハートクリニック外苑前 心理士の信吉です。
最近はメディアなどを通して、こころの病気になった方への「いい声かけ」「やめた方がいい声かけ」について知る機会が増えてきました。皆さまも、例えば「うつ病の人には『がんばれ』と言わない方がいい」というのは、どこかで聞いたことがあるのではないかなと思います。
うつ病は、「がんばりすぎて、エネルギーがなくなってしまった状態」と言われています。
なかなか想像が難しいところかと思いますが、普段ならできるちょっとしたこと、気分転換などが大きな負担になるくらい、エネルギーがぎりぎりの状態になっています。
(お子様の場合は、イライラ、身体の症状(頭痛や腹痛、だるさ)などが目立ちやすいので、一般的な「うつのイメージ」と様子が違う点も知っておいていただけるとありがたいです!)
そんなとき「がんばれ」という言葉の裏に「がんばれるはず」というニュアンスが感じられてしまうと、お子様は「しんどいって分かってもらえてないのかも」と落ち込んでしまうかもしれません。さらに、お子様は大人の期待に敏感ですから、「がんばらなきゃ」と無理をしてさらにしんどくなってしまうこともあります。
親御様の「元気になってほしい」というあたたかい思いが、ちょっとした言葉遣いのせいでお子様に上手く伝わらなくなるのは悲しいことですよね。
そのため、「がんばれ」の前に、まずは安心してゆっくりできる時間を作ってあげることが回復への近道になります。エネルギーが戻ってきたら、お子様の状態に合わせて少しずつ目標を立てていきましょう。
いまどれくらいの目標がお子様に合っているのか、診察やカウンセリングで一緒に考えていけると嬉しいです。
信吉真璃奈