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狭い視野に、いったん立ち止まる

2025.02.16 心理士ブログ

こんにちは。キッズハートクリニック外苑前 心理士の信吉です。

   

カウンセリングでは、「クラスに話の合う子がいなくて…」というご相談をよくお受けします。

   

ご本人の好みや価値観がユニークなこともありますが、「結構メジャーなコンテンツなのに、たまたま周りに好きな子がいない」「違う年代の人となら話が合いそうだけど、同世代だと難しいのかな…」という場合もあります。

   

「環境さえ合えばすぐにお友達ができそう」と思うと、大人としてはつい「学校の人間関係が全てじゃないよ」とか「大学生になったらきっと気の合う人が見つかるよ」など、視野が広がるようなことを伝えてあげたくなります。
もちろん、お子様の年齢、幼馴染の有無、習い事など学校以外の状況などいろいろなことが関わるため、そういったお声がけで希望を持てるお子様もたくさんいらっしゃいます。

   

けれど、人間関係の経験が少ないお子様にとって、学校の存在感は思いがけず大きくなりやすいもの。
「学校=社会の全て」と無意識に捉えているお子様も少なくありません。

   

そのため、「視野を広げてあげよう=お子様に変化を起こそう」とする前に、いったん一緒に立ち止まり、「お子様の狭い視野からこの世界を見ると、何がどんな風に見えるんだろう?」と考えてみることは、実は意外と大切です。
そうして分かった範囲でお子様と気持ちを共有し、その上で親御様が見えていてお子様が見えていないものがあれば、教えてあげられるといいのではないかなと思います。

   

この「一緒に立ち止まるか、背中を押すか」はなかなかバランスが難しいため、ぜひ診察やカウンセリングで、お子様に合った声かけを一緒に見つけていければと思います。

   

信吉真璃奈

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