知能指数の分かりにくさ
こんにちは。キッズハートクリニック外苑前 心理士の信吉です。
前回「境界知能」について、ブログを書かせていただきました。知的障害とまでは言えないけれど、知能指数(IQ)が平均の範囲内を下回り、生活の困りごとに繋がるかも…といった内容でした。
しかし、では知能は高ければ高いほどいいのかというと、残念ながらそう単純にはいかないようです。
例えば「同世代のお子さんが話について来られず、会話を楽しめない」「何気ない疑問を口にしただけで本質を突いてしまい、大人に煙たがられてしまう」「授業がつまらない」…など、知能が高いために生じる困りごとも色々あります。
また、「知能検査の全部の指標がIQ130以上!」のような結果になる方はあまりいらっしゃらず、平均以上の中で得意苦手の凸凹が出てくることも多いようです。
そのため、例えば「情報処理能力だけ見れば十分なのだが、言語能力が非常に高く色々な言葉をどんどん思いつくので、結果的に処理が追いつかない」といったことも起こります。
難しいものですね…
さらに、「コミュニケーションや注意集中など、発達障害による困りごとを抱えているが、知能検査ではまんべんなく平均以上をとれる」という方もおられます。それで相談先で「知的に問題ないですね!」などと言われて終わってしまい、本人の辛さが見逃されてしまっては辛いですよね。
当院では、知能検査についてしっかりとした報告書をお作りしていますし、発達障害、一時的なこころの病気の症状なども含めて広くお子様の特徴、状態を見ていくことができます。
検査結果について気になることがあれば、ご遠慮なく診察の中でお尋ねくださいね。
信吉真璃奈